ガレランプの修理
現在よく出回っているガレランプ(ガレ風ランプ)とは、被せガラス(色を重ねたガラス)で作ったランプのシェードとスタンドにサンドブラスト(ガラスに高圧で砂を吹き付ける)で模様を描いたランプのことです。
主に中国で作られています。(私も以前中国に行き製造現場を見学したことがあります)
サンドブラストは近代の技術なので、実際のエミール・ガレのランプはグラヴィール(砥石を回転させて水をかけながら削る)技法やエッチング(フッ化水素酸と硫酸の混合液でガラスを腐食させる)技法で削っています。
アプリカッシオン(ガラスを解けた状態のときにモチーフをつけ、固まってから細かく彫刻を施す*アップリケ)技法なども使われています。
今回はガレランプが割れてしまったということで修理の依頼を受けました。
基本的にガレランプは割れてしまうと溶かしてくっつけることができず元どおりにはできません。
ですので、接着剤でくっつけるしかないかと思います。
当工房では下の接着剤を使用しています。
まずは接着します。
破片がない箇所は金属パテで埋めます。
表面を着色します。
パテなので透過性はありません。
そして、修理完了です。
ヒビはよく見るとわかりますが遠目にはわからないかなと思います。
元どおりとまではいかないのですが、通常使用には問題ないかと思います。