アンティークのステンドグラスパネル修理
アンティークのステンドグラスの修理です。
今回は下の写真の赤線で囲まれている3箇所が割れているのでガラスを交換していきます。
かなり古いアンティークのステンドグラスは同じガラスが手に入らない場合が多いです。
今回も手に入らないガラスですが、両サイドの2枚に関しては、ほぼ同じようなガラスがありました。
真ん中のガラスはお客様と相談して凹凸具合が似ているガラスに交換します。
まずは木枠を外します。
アンティークのステンドグラスは大抵、縁がボロボロです。
ボロボロ過ぎて木枠を外すとバラバラになる場合がありますが、こちらはまだ大丈夫です。
何箇所か断線している部分もありますが、木枠ごと壁にはめ込むということなので
木枠で隠れる部分ですのでハンダでつないでこのまま使用します。
鉛ケイム面とハンダ面も表面は錆びていますが
鉛は表面が錆びてもなかなか中まで錆びが浸透しません。
割れているガラスまで鉛ケイム組をバラバラに分解したいので
割れているガラスに到達するまで要所要所のハンダのつなぎ目を裏表、彫刻刀で切断していきます。
このとき彫刻刀を強く押し付けるとガラスが割れるので、彫刻刀の刃に神経を集中して切れた感覚と同時に力を抜くようにします。
下のような感じにバラすと割れているガラスまで到達します。
割れたガラスをテープで止めて元の形を再現します。
再現したガラスを交換するガラスの上に乗せ、縁をマッキーでなぞり
全く同じ形になるように慎重にカットします。
切ったガラスを削り調整しながら元の枠に納めていきます。
桟木で囲い直角と寸法を確認しつなぎ目をハンダで溶着していきますが
表面が錆びているためそのままではハンダは付きません。
デザインカッターでハンダする箇所の表面を削り銀色の面を出してからハンダします。
裏表ハンダが終わったら、パテを詰め、ブラックパティーナで黒く腐食させて、ポリワックスで錆止めし、乾拭きします。
元の木枠にはめて、フィニッシュネイルで留まっていたのでフィニッシュネイルを打ち直し完了です!