ステンドグラスの歴史・技法・ガラス

ステンドグラスの歴史

1,ステンドグラスとは

もともと、ステンドグラスという言葉はステインドグラス、つまり着色したガラスという意味です。 昔ヨーロッパの教会で外からの光を生かしてガラスに色彩をもたせ、聖書のストーリーなどを 分かりやすく伝えるために考えられたものといわれています。 昔のステンドグラスの職人といえば囚人で、更正のために聖書のストーリーのステンドグラスを 作らされていたと考えられます。

2,ガラスとステンドグラスの歴史

そもそも、ガラスというものは紀元前4000年ごろの、古代エジプト時代から装飾品として存在していたことが 分かっています。その後、板状のガラス、つまり窓用のシートガラスと言われるものが安定して作られ始めたのは 西暦400年ごろといわれています。

そしてステンドグラスは5世紀のフランスの文献に出てきます。つまり板ガラスが作られはじめてすぐにステンドグラス も作れらるようになった、というわけです。ステンドグラスは今では1500年以上もの歴史があるということになります。

現存するステンドグラス作品として一番古いのは、9世紀頃のものでドイツの教会に今も残っています。

3,日本のステンドグラス

1,宇野澤組

国会議事堂の建設の際に、日本に新しい技術としてステンドグラスを嵌めこむというプロジェクトが立ち上がり 当時器械の勉強をしていた宇野澤辰雄と他数人がドイツへと派遣され技術を学び日本に持ち帰り国会議事堂の ステンドグラスをつくりました。(昭和9年)その後宇野澤組は解散し、ステンドグラスの技術は松本ステンドグラスに受け継がれ現在も両国駅の近くで 工房を構えています。

2,小川三知

宇野澤辰雄はヨーロッパのステンドグラスの技術を持ち帰ったのに対して、もう1つのステンドグラスの流れとしてアメリカの技術を日本に持ち込んだ小川三知という人がいます。日本で日本画、山水画を学んだ小川三知は、 アメリカのシカゴの美術院を経て、アメリカのステンドグラスの工房を廻り、日本に帰ったあと「小川スツヂオ」 を立ち上げ日本初のステンドグラス作家となり、日本全国に作品を残しました。代表作としては、旧鳩山邸の ステンドグラス、科学博物館のステンドグラス、新宿三越のステンドグラスなどがあります。

3,現在

日本のステンドグラスの現状は、趣味として楽しむ人口は増えてきています。 その一方で、作家・職人としてステンドグラスを仕事とする人口は減ってきています。 2008年で渋谷にあったステンドグラスの専門学校がなくなってしまい。 現在ステンドグラスを専門的に学ぶには、ステンドグラスを専門として作っている日本に数社の会社に 勤めるしかなくなってきています。ステンドグラスの職人としての募集もほぼしておらず狭き門です。 これからのステンドグラスの発展を願っています。

参考文献:白揚社「日本のステンドグラス 小川三知の世界」、伝統技法研究会「日本のステンドグラス」

ステンドグラスの技法

1,ケイム組み

ステンドグラスを良く見ると黒い線でガラスが囲まれているのが分かります。この黒い線は鉛の線で「ケイム」と 呼ばれています。このケイムの断面がH型をしており、両側にガラスをはめられるようになっています。 伝統的な技法で、ヨーロッパを中心に世界中で窓やドアや公共施設の空間などの大きな作品で広く使われています。

この技法では次に紹介する技法ほど細かいデザインを表現出来ません。 その代わりケイム組みの技法はガラスに直接絵を描いて焼付け組み込むことが多いです。 フランスのステンドグラスはほぼ絵付けの技法によって作られています。

イギリスのステンドグラスは逆に絵がメインではなく文様などを絵付け、 鉛のラインでシンボル的なデザインをしています。

2,コッパーフォイル・ティファニー方式

それに対して、細かいデザインで、たくさんのピースを組み合わせてあるもの、屋内で使うランプや小物などは コッパーフォイルという銅のテープを貼りつける技法で作ります。 これはアメリカのルイス・コンフォート・ティファニーという人が開発したのでティファニー方式と呼ばれています。

ティファニーは1848年アメリカで生まれで、有名な宝石店、ティファニー& カンパニーの創業者の息子です。ティファニー方式で作られたランプは有名で、 トンボや花をモチーフにした細かいデザインのランプを見たことがあると思います。 一般的にティファニーランプと呼ばれています。ティファニーさんのおかげで、 ものすごく細かく、繊細で写実的なステンドグラスのデザインの作品制作が可能 になりました。

*今ではケイム組みとティファニー方式を組み合わせたデザインも創作されています。

ステンドグラスのガラス

1,デザインガラス

主に絵画的なステンドグラスを作るときに使うガラスです。
主にアメリカからの輸入されています。

30cm×30cmの大きさで1,000円~10,000円と金額は幅広く 主なメーカーは、スペクトラム、ココモ、ウィスマーク、ブルズアイ、ウロボロス、ヤカゲニー、オセアナなどで 総種類数4,000種類以上

2,アンティークガラス

昔のガラスということではなく、昔ながらの製法で作られた味のある手作りガラス。 職人さんが一枚一枚吹きガラスの技法で板ガラスを作っています。 具体的には円筒法といってガラスを吹きながら筒状にし、一度冷やし切れ目をいれ再加熱しながら伸ばしています。

高価で30cm×30cmで4,000円~20,000円します。 主なメーカーは、サンゴバン、ランバーツ、フリーモント、クロズノなど。 種類が豊富で1メーカーにつき1000種類以上あります。

3,装飾型板ガラス

建築物の透明ガラス(フロートガラス)の代わりとして用いられるテクスチャーのあるガラスです。 昔は日本でも生産されており、玄関やお風呂場のドア・窓に目隠しになるようなテクスチャーのあるガラスを 用いていました。模様はバラや幾何学模様など様々で日本家屋にも合うようなデザインが使われていました。

ステンドグラスでも装飾型板ガラスを用いてランプやパネルを作るなど材料として使います。

4,その他のガラス

アンティークミラー・・・鏡の裏の銀引きに薬品を掛けて腐食させる
ロンデル・・・吹きガラスで制作された円盤状のガラス材料
面取りガラス・・・ガラスや鏡の切り口の角を面取りしてあるガラス

主要ガラスメーカー(22メーカー)

スペクトラム http://www.spectrumglass.com/
切り易く安価なガラスです。個体差が少なく建築ガラスとしても使われます。色味は発色が良くパキパキしてます。テクスチャーもほぼ均一です。Aランク739円~・マシンロール・250種類・元板サイズ:約60cm×120cm
ココモ http://www.kog.com/
安くていいものを作りたい場合もっとも使うガラスです。色味が豊富で微妙な風合いも探すと見つかります。過去廃番になったものを含めると22,000種類あります。ありすぎ・・・。日本に入ってきているものは絞られていて、300種類程度です。 Aランク1075円~・マシンロール・約300種類・元板サイズ:約82cm×108cm・1888年

ウィズマーク http://www.wissmachglass.com/

ブルズアイ http://www.bullseyeglass.com/

ウロボロス http://www.uroboros.com/

ヤカゲニー http://www.youghioghenyglass.com/

オセアナ http://www.youghioghenyglass.com/oceana.htm

デサーグ http://www.schott.com/german/

サンゴバン http://www.saint-gobain-glass.com/saint-just/indexen.htm

ランバーツ http://www.lamberts.de/

シカゴアート http://www.chicagoartglass.com/

ブレンコ

フリーモント

フィッシャー

スコット

クロズノ

ハートレイウッド

オプティマム

ワッサー

サーカ

ダンカン

モレッティ